1、法律(相続・遺言・後見・家族信託等)の専門家である
司法書士は「くらしに役立つ法律家」として日々業務を行っていますので、相続発生後に必要な不動産登記や遺産管理業務だけでなく、相続発生前の生前対策としての遺言の作成や家族信託(民事信託)の利用などについてもお役に立つことができます。
2、不動産実務を把握している
司法書士の仕事として、一番知られているのが不動産登記です。不動産の贈与や売買等を行う際には、不動産の名義人(所有者)を変更する手続(所有権移転登記)が必要となります。
実際、司法書士は多くの不動産取引に立ち会い、不動産の売主買主から委任を受けて名義変更の登記申請を行っています。
また、不動産の所有者が亡くなった場合には、不動産の名義人を変更する手続が必要(法律上の義務ではありませんが、早めの手続きをお勧めしております)となりますので、相続による所有者変更の登記(相続登記)申請も行っております。
3、最後の手続まで意識した解決方法を提案できる
相続発生後に必要な手続は、期限のある手続と期限のない手続の2つに分けることができます。期限のある手続の中でも重要な手続が相続放棄と相続税の申告です。
相続放棄は3か月、相続税の申告期限は10か月と決められています。相続税申告は期限内に申告をしないと、ペナルティを課せられたり相続税の優遇措置の適用を受けられなくなってしまいます。
このような理由から、各種手続の中でも、相続税の申告が必要な場合には、10か月以内に遺産分割協議を終え申告まで行うことが最優先されるのです。
また、相続税を納める必要がある場合でも相続財産のほとんどが土地などの不動産で現預金が少ない場合には、納税資金を捻出するために、相続税申告に間に合うように不動産を売却して現金化する必要があります。
4、本当に相続に強い専門家とのネットワーク
司法書士に一番最初に相談してもらえれば、本当に相続に強い各分野の専門家をご紹介することができるのです。
5、相続以外に販売したい本命商品がない
司法書士であれば、相続の手続きの中で、必ず報酬をいただけけるような手続きがありますし、銀行、不動産業者、保険代理店などのように他に販売したい本命商品があるというわけでもありません。
そういう意味では、司法書士は、公正中立な第三者の視点から、相談者にベストな解決方法を提案することができます。
また、司法書士のネットワークを使って、解決方法ごとに本当にその分野に強い相続の専門家をご紹介することもできるのです。
相続が発生したときに、最初に行うことは「相続人調査」です。
相続人調査とは、発生した相続において、相続人が誰になるかを調べることです。
具体的には、被相続人(亡くなった人)が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本などを収集し、記載内容を分析して、家族関係の履歴を調査することになります。
戸籍は法律が変わった場合に改正され、新しいものが作られてきました。その際、古い戸籍で除籍されている人は新しい戸籍に記載されません。現在戸籍だけでは相続関係を調べられないため、出生から死亡までのすべての戸籍謄本などを取得して、相続人を確定させる必要があります。
戸籍は市町村が管理しており、戸籍謄本は戸籍のある自治体でしか取得できません。市役所などの窓口のほか、郵送でも取得可能です。
複数の自治体にわたって戸籍を集めることは骨が折れますが、司法書士に依頼して戸籍取得の代理を依頼することができます。
司法書士には、遺言に関する手続きも依頼することができます。
遺言とは、被相続人が、自己の財産の処分方法などについて、最終的な意思を書面にして残したものを指します。
遺言を残すメリットはいくつかあります。
一つは、遺産分割協議を行わなくてもよいことです。
遺言書がない場合には、一般的に遺産分割協議を相続人全員で行うことになります。
協議がうまく進まず、調停や裁判に発展すると、相当な時間と費用がかかります。それまで円満であったとしても、家族関係も崩壊します。
もう一点は、自分の意思で財産を分配できることです。
法定相続分以外で財産を残したい場合は、遺言を書いた方がよいでしょう。
司法書士には、遺言書作成、遺言執行者への就任や業務遂行、遺言書の検認申立書類作成など、遺言に関する各種の業務を依頼することができます。
そのほか、生前対策に関する業務についても、相談することが可能です。
たとえば、最近注目を集めている財産管理方法である「家族信託」に関して、契約書の作成や不動産登記など、一連の手続きも司法書士は対応が可能です。
また、任意後見契約や成年後見の申立てなども業務範囲に含まれます。